九州大学が経営戦略マップの策定運用にScopusを活用
――Scopusは大学改革を進めるための基礎的データベースとしても有効――
科学・技術・医学分野の学術出版および情報サービス大手のエルゼビア社(本社:オランダ、アムステルダム)は、2008年2月7日、九州大学が大学改革を目的とした経営戦略マップ「QUEST-MAP(クエスト・マップ)」の策定および試行運用にあたり、同社の学術ナビゲーションサービスであるScopus®(スコーパス)を大学全体としての研究活動の現状把握と中長期計画策定を行なうための客観的基礎データの一つとして活用していることを発表しました。世界最大級の書誌・引用データベースであるScopusは、これまで研究者個人の研究活動成果を測定するツールとして主に利用されて来ましたが、今回の九州大学における取り組みは、Scopusが国立大学の経営改革を加速するためのマクロ的な基礎的データベースとしても活用しうることを示す先駆的取組みとして注目されます。
大学全入時代やグローバル化など、大学をとりまく環境が激しく変化している今日、各大学は教育研究事業と経営活動を両立させ、かつ多様性と独自性を発揮するという難しい課題に取り組んでいます。そのため、国内外の大学において、今後の大学経営方針策定の根拠となる客観的でかつ信頼性の高い指標のニーズが急速に高まっています。九州大学は、全国の大学に先駆けて九州大学独自の経営戦略マップ「QUEST-MAP」を策定し、昨年5月から試行運用を開始しています。「QUEST-MAP」は、九州大学が目指している「世界的教育研究拠点の形成」に向けた大学改革の全体像を、一目で分かるようマップで表現したものです。この「QUEST-MAP」の策定運用にあたっては、大学の特性である研究活動における自由と多様性を尊重することを大前提としつつも、九州大学の研究活動の特性や水準をマクロ的な見地から客観的に把握・分析することが必要となります。このため、九州大学では研究活動に関する各種データベースの利用を検討していましたが、当社Scopusに収録されている世界の論文情報がその一環として活用されることとなりました。これによって、九州大学の経営改革が一層加速すること、また、大学をはじめとする知識創造型組織に共通するマネジメント上の課題解決に向けた先駆的なチャレンジが促進されることが期待されています。
具体的な取り組みとしては、Scopusプロダクトチームと九州大学総長支援室経営戦略グループが昨年秋より共同チームを結成、大学の研究活動をマクロ的に捉えるための各種手法の開発を行って来ました。その一例として、主要27分野における2002年から2006年の論文の数、および引用数の上位1%・上位5%の基準値という2つの指標に着目してデータを抽出・分析し、国内総合大学についての分野別上位論文の出現率を導き出しました。「Scopusの幅広い収録範囲と操作性・信頼性の高さは、研究者個人の研究活動の把握のみに留まらず、大学における多様な研究活動を『マクロ的かつ客観的』に分析するツールとして適しています。今回Scopusチームと共同で開発した分析手法を活用することにより、他大学と比較して九州大学が優位性を有する研究分野の特定やその経年変化の把握、また今後重点的に強化すべき研究分野などの設定にあたり、その客観性を一層高めることが可能となりました。これまで九大全体としての研究活動の現状分析や中長期計画策定の議論は、データ等の制約もありどうしても定性的な議論に偏りがちでしたが、Scopusの活用により客観的なデータに基づいて議論するための極めて重要な材料の一つを確保することができるようになりました」と九州大学の総長支援室経営戦略グループ特任教授の安達明久氏は述べています。
「研究活動分析に対するニーズは今や一個人のみの関心事ではなく、機関レベル国レベルにまで及んでいます。日本を代表する大学である九州大学の経営戦略策定にあたってScopusが活用されたのは、大変光栄なことです」とエルゼビアの製品開発の責任者であるNiels
Wieertmanは述べています。Scopusチームは、今後も九州大学と共同して、大学における研究活動の特性と水準をより多面的・客観的に把握分析するため、Scopusのデータベースを活用した分析手法の開発を進めて行く予定です。
【九州大学について】
九州大学は、明治44年(1911年)に我国4番目の帝国大学として設立された、現在11学部、17大学院(学府)を有する我国有数の国立総合大学です。設立以来これまでの約百年間で学部12万人、大学院7万人の卒業生を近代日本を支え発展させた人材として送り出して来た伝統を誇るとともに、更に平成17年からの伊都キャンパスへの統合移転開始と平成23年の創立百周年を機に、「100年の伝統を基盤とし、知の新世紀を拓く」をスローガンとして日本はもとより世界の教育研究拠点大学として更なる飛躍を期しています。
【九州大学 総長支援室経営戦略グループについて】
平成19年10月1日付けの組織改革において新設された総長直轄組織の一つで、2名の専任職員と5名の兼務教員により構成されています。平成22年度より開始される「次期中期目標中期計画」の基本案企画に関する支援、および現行の中期目標中期計画を基にした「QUEST-MAP」の策定運用等を主な任務としています。
【QUEST-MAPについて】
「QUEST-MAP」は、九州大学が目指している「世界的教育研究拠点の形成」に向けた大学改革の全体像を、バランス・スコアカード(Balanced Score
Card、略称BSC)のフレームワークを利用して、一目で分かる様に示した、謂わば「九大改革の総見取り図」です。昨年5月に九州大学全体の経営戦略を対象とした「九大QUEST-MAP」を策定し試行運用を開始したほか、現在7つの部局が独自にその経営戦略を示すための「部局QUEST-MAP」の策定運用を進めています。詳細については、下位の九大ホームページをご参照ください。http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/QUEST/#intro
【Scopusについて】
Scopusは、研究論文情報を幅広く網羅し、査読ジャーナルや良質なウェブソースを元にした世界最大級の書誌・引用データベースで、しかも研究活動の可視化や追跡・分析が簡単にできるツールです。Scopusは世界中の500人以上のユーザーや図書館員の声を反映して企画・開発されました。独自のデータベースには、4,000以上の出版社の15,000誌を超える査読ジャーナルの書誌・引用情報が搭載されており、学際的な網羅性も確保されています。さらに、Scopusは論文の引用情報だけでなく、ウェブ上の情報や特許情報などもシンプルな画面から検索可能です。フルテキスト論文への直リンク、図書館内のリソースや文献管理プログラムなどのアプリケーションとの連携により、Scopusは他に類を見ないほど速く・簡単かつ広範囲に渡る文献検索ツールとなりました。2007年より、
THES-QS World University
RankingsにScopusのカスタムデータが採用されました。Scopusに関する詳細については:www.info.scopus.com または日本語サイト
http://japan.elsevier.com/products/scopus/
【エルゼビアについて】
エルゼビアは科学・技術・医学関連情報の製品およびサービスを専門とする、世界トップクラスの学術出版社です。電子商品としてScienceDirect(サイエンス・ダイレクト)、Scopus、MD
Consult、書誌データベース、オンラインレファレンスワークなどを提供するほか、科学・医療コミュニティーとグローバルに連携して年間2,000誌以上のジャーナルと1,900冊以上のブックを発行しています。
エルゼビア(http://www.elsevier.com)は、オランダのアムステルダムに本社を置き、世界各地に70箇所以上の支社と社員7,000名を抱えるグローバル企業です。エルゼビアは、世界でもトップクラスの出版社かつ情報プロバイダーのリード・エルゼビア・グループ(Reed
Elsevier Group
plc)の傘下企業です。科学・医学・法律・教育・BtoB部門を持つリード・エルゼビア・グループは、ユーザーに高品質で柔軟な情報ソリューションを提供しており、オンラインサービスも積極的に展開しています。リード・エルゼビア・グループのティッカーシンボル(証券コード)は、REN(Euronext
Amsterdam)、REL(ロンドン証券取引所)、RUKおよびENL(ニューヨーク証券取引所)です。
【お問い合わせ】
九州大学およびQUEST-MAPについて:
九州大学 総長支援室経営戦略グループ 特任教授 安達明久 (担当:三浦)
Tel.:
092-642-7006
Email: aki-adachi@astec.kyushu-u.ac.jp
エルゼビアおよびScopusについて:
エルゼビア・ジャパン株式会社 マーケティング 神田
Tel.: 03-5561-5034(代表) 03-5561-5069(直通)
Email:
jp.pr@elsevier.com 日本語ホームページ:http://japan.elsevier.com